友人の美容師と話が噛み合わなかった理由と球速を上げるコツの裏側

こんにちは、ひでゆきです。

 

なんか話が噛み合ってないな。。。

今日はこんな出来事がありました。

 

実は今日午前の仕事を終えた後
髪を切りに友人の美容室へ行ってきました。

その彼(友人)は数年間大手の美容室で経験を積んだのちに
お客さんもかなりの人数がついて来たところでお店を持つために独立。

何回か通っているのですが
高校球児で坊主だった髪に無頓着な自分でも感動するくらい
毎回カット後にはルンルン気分でお店を後にしています。

 

で、その彼とカットしてもらいながら
野球の話をしていたんですね。

彼自身、最近休みの日に草野球をたまにするようになり
一緒にキャッチボールをする仲になりました。

そんな経緯もあり
「どうしたら球速って上がりますか?」
「やっぱり筋トレしないと速くならないですか?」
みたいな会話に発展。

 

で、冒頭の会話が噛み合ってない現象はその時に起きたんですね。

「筋トレはどこの部位を鍛えた方が良いですか?」とか、
「球速が上がるフォームってどうしたら良いですか?」みたいな。

僕自身野球をずっと続けてて
どうしたら球速が速くなるかについての答えは
「感覚を磨く事」だと思っていて。

実際野球を引退して7年ほど経ちますが
今現在も現役と同じくらいのボールを投げれています。
(140キロくらいです)

 

だからこそ、

筋トレよりも感覚を研ぎ澄ませることの大切さを実感しています。

トレーニングよりも武道に近い感じ。

 

なので彼から
「どこを鍛えたら良いですか?」
「どんなフォームが理想的ですか?」
との質問に僕は、

「ボールの加速の邪魔をしない体を作ること」
「そのために感覚を研ぎ澄ますこと」
と返していました。

 

だからこそですが
そりゃ話が噛み合うわけがありません。

彼が求めてる答えと
僕が伝える答えが違っていましたので。

その瞬間部屋には
サーーっと冷めるようなスベった空気が漂い始めました。。。

 

正直こうなることはある意味わかっていて、
それは今までなんども経験してるし
お互いの常識が噛み合っていないからです。

 

なのでとりあえず本質的な答えを伝えた後に

どうしたら彼に伝わるかを考えつつ会話を重ねていきました。

 

少しずつ少しずつ
「筋トレとは何か」
「筋肉とは何か」
「球速が上がるって何か」
「理想のフォームの定義とは何か」
1つ1つ細かな会話を重ねていきました。

 

すると決定的な2人の違いが明らかになったのです。

 

その違いというのが、

「筋肉の役割についての認識の違い」

でした。

 

筋肉の基本的な役割って
「力を出すこと」
だと思われています。

というか世間的にはそれが常識です。

 

動画サイトをひらけば
「〜〜を鍛える3つの方法」とか、
「ここを鍛えれば球速が上がる3つの部位」とか、
筋肉を鍛えて力がつくから球速は上がる、、、
という前提の動画が嫌という程目につきます。

スポーツニュースを見ても
プロ野球選手のトレーニング映像が流れると
必ずと言っていいほど筋トレで歯を食いしばっている姿が目に映ります。

それが世間の常識だったりします。
見てる側もすごく分かりやすいですから。

 

だからこそ
「球速を上げるにはどの筋トレをしたら良いか?」
みたいな質問が出てくるのは当然のことです。

 

ただ、一方で、

「筋トレの究極系は何か」

ここを考えた時に浮かんでくるのが

「ボディビルダー」

だったりします。

 

別にボディビルダーを否定するわけではありませんが
こと「野球」というところに置き換えると、
筋肉を付ければ付けるほど体は動かなくなっていくのは想像に難くありません。

実際僕も現役の時、特に大学生の4年間は
野球部OBでアメフト日本代表のトレーニングコーチの方に
徹底的に筋トレを教えて頂いた経験もあります。

 

当時のコーチからはこんな言葉を日々教わっていました。

「肉体的な限界と精神的な限界。
先に来るのは精神的な限界だ。」

「だからこそ、限界を感じてからが筋トレだ。」
みたいな感じ。

大学も体育大でトレーニング場に1億円をかけて改装していたので
設備もかなり充実していて、

ベンチプレス、スクワット、デッドリフト、パワーマックスをはじめ、
その他諸々一通り経験していると思います。

 

事実僕も、筋トレで追い込むことが正しいと思っていて
だからこそ4年間週5〜6日は限界まで筋トレをし続けました。

その結果確かに球速は上がりました。
ただ同時に体のしんどさ、疲れやすさも増えました。

筋トレすればするほど
限界を超えれば超えるほど
思いに反して体はボロボロに。。。

「なんか違う」とどこかでずっと感じつつも
それ以外の答えもなくひたすら筋トレに打ち込みました。

 

だからこそ僕は
「球速を上げるにはどうしたら良いか」
と聞かれた時に

安易に「〜〜を鍛えたら良いよ」とは伝えられないのです。

いずれ身体に無理がくるから。

 

 

だからこそ、
「制限のないトレーニング」
を探していました。

やればやるほど体の機能が高まり、
やればやるほど球速も上がる。

若いうちだけ通用するトレーニングではなく、
子供にも年配の方も始められるトレーニング。

 

そんなものを求めている中で出会ったのが武道の考え方。

そこでの筋肉の役割の定義は以前の僕の常識にはない新鮮なものでした。

 

その筋肉の役割の定義というのが、

「筋肉は感覚の通り道である」

という考え方です。

 

筋肉は力を入れるためのものではなく
地面からの力をボールに伝える役割を果たすためのもの。

 

さらに言うと、

感覚を長く保つほどそれは大きな助走となって
より大きな力をボールに伝えることができるので、
「感覚の通り道であり増幅装置」でもあります。

 

例えるなら飛行機の滑走路みたいなものです。

より飛行機が加速しやすくなるために
・滑走路のコンクリートを平らに整備したり
・汚れやゴミを掃除したりする
そうしていかに飛行機が抵抗なく加速だけに集中できる環境を整えるか。

そこが滑走路の役割として大切になってきます。

 

そしてそれは体も全く同じで、

ボール=飛行機
筋肉=滑走路

なんですね。

 

筋トレはある意味滑走路をボコボコにする行為でもあるので
(筋トレ否定ではないです)

そうではなく、
いかに筋肉を柔らかく柔軟に保ち感覚を通せるか、
そこが大切になってくるのです。

よくプロの野球選手が
筋トレの後に鏡に向かって繰り返し素振りやシャドーピッチングを繰り返すのは、
筋肉という滑走路を整備するためだからです。

 

だからこそ

「筋肉の役割は力を出すことではなく、
感覚の通り道であること」

「もし筋トレをするなら軽い重りでよくて、
いかに丁寧に動かせるかの方が重要だよ」

ということを伝えたところ
「わかったような、わからないような。。。」
みたいな空気にはなりつつ、

ただ彼の中には新しい筋肉の知恵が入ったようではありました。

 

 

そしてこれは蛇足ですが、

筋肉が感覚の通り道であるということは、
「球速が高まる投球フォーム」というのも

つまるとこ
「感覚にブレーキをかけなければ何でも良い」
となります。

だからこそ、よく耳にする、
「肩を開かない」
「ステップはまっすぐに踏み出す」などの言葉は、
感覚を遮る可能性を低くするために使われています。

 

そういうことを伝えると彼の中に大きな気づきがあったそうで。

彼の口から
「それは美容師と一緒ですね!」
と言う言葉が出てきました。

なぜなら美容師も形にこだわると思うような髪型にならないからだそうです。

 

確かに美容師も、技術として
・前髪はこう切った方が良い
・刈り上げの際はバリカンをこう使って
・シャンプーの際はお湯がかからないように
とか、場面ごとのスキルはもちろん沢山あって、どれも大切で。

 

ただ、何よりも大事なのは、

「自分を挟まないこと」

だと言っていました。

 

美容室では、あくまで主役はお客さんです。

そしていかに、

「今の髪型からその人に似合う理想の髪型までの道のりをイメージできるか」

が大切だと言っていました。

 

ビフォーからアフターまでをイメージできるかどうかが
美容師で食べていけるかどうかの分岐点だそうです。

 

髪の切り方が大事なのではなく、
髪とお客さんの一体感をいかにして繋げられるかが大事。

そのために必要なのは、
「形にとらわれず相手に合わせて臨機応変にカットすること」
だそうです。

 

その話を彼が口にした途端、

「あっ!!!!!」

と彼の中で何かが繋がったようでした。

 

そしてこう一言。

 

「球速を上げることと美容師は一緒ですね」

 

と。

 

「球速を上げるために筋肉を感覚の通り道と見なすことは、
理想のカットをするために切り方にとらわれないのと同じですね」

 

投球の主役はボール。
目的はボールに最大限の力を伝えて最高の投球をすること。

美容師の主役はお客さん。
目的はお客さんの理想の髪型までの道のりをイメージして最高の髪型に仕上げること。

 

形にこだわるのではなく
ゴールまでの道を整えること。

 

「全部大切なことは同じですね!」

彼はそう言ってとても嬉しそうにしていました。

 

 

冒頭に書いた話が噛み合わなかった理由は、

お互いが見ている視点が違っていたから起きたことでした。

 

表面的な形、方法、手段にこだわっている視点と
目に見えないゴールまでの道筋を重要視する視点。

「〜〜の方法3選」にこだわるのか
「なぜその3選が大事なのか」を感じようとする視点。

 

目に見えない感覚を感じようとするほど
その感覚を言葉にできるほど

一生ものの知恵が磨かれて
歳を重ねれば重ねるほどよりより成長し続けられる、、、

そんな自分になれるのかなと思っています。

 

とはいえ感覚は目に見えないものなので
まずは表面的な情報を取り入れながら
「目に見えない本質は何か?」
を考えるのが最初の一歩なのかなと思います。

 

補足ですが、
「筋肉を感覚の通り道」って意識でボールを投げると
割と一瞬で球速はすぐに上がります。

キャッチボール好きな方は是非。笑

今日もありがとうございました!

 

 

 

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